- 東京新聞 2月29日 夕刊2面より
- スマホで線量測定 続く人気 発売4年、安価で国内外に利用者
- http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201602/CK2016021902000254.html
スマートフォンに接続して数分で大気中の放射線量を測定、データはフェイスブックで利用者と共有-。東日本大震災で被災した宮城県石巻市にある中小企業が震災を機に開発した、手のひらサイズの線量計「ポケットガイガー」が、発売から4年以上たっても売れ続けている。 欧米や韓国、タイなど国内外に利用者がおり、これまでに約五万台販売した。多くの線量計は数秒で測定できる高感度なセンサーが使われ、一台数万~数十万円する。ポケットガイガーは測定に数分かかるが、安価なセンサーを採用し、現行モデルで約六千五百円とした価格設定が受けた。 センサーで検知し、イヤホンジャックやUSBでスマホにデータを送る仕組み。無料アプリを使ってスマホで数値を確認できる。フェイスブック上にポケットガイガーを使って得た放射線量データのアップロードが可能で、利用者のほか、研究者やエンジニアが参加して議論や情報共有できることも人気の理由になっている。 震災時は原発事故の影響で、線量計の品切れが相次いだ。石巻市で被災したヤグチ電子工業が「各地で線量を測り、共有すれば実態が見えるのでは」と震災の五カ月後に発売した。